2020年度卒業式 校長式辞
本日、上田安子服飾専門学校を卒業される皆さん誠におめでとうございます。
また保護者の皆さま、お子様方のご卒業、誠におめでとうございます。
入学以来、本学の教育に深いご理解とご協力を賜りまして学園として厚く御礼申し上げます。そして数々の厚いご支援に対しまして心より感謝申し上げます。
皆さんの卒業年度である、この1年間は新型コロナウイルスの影響により、皆さんはもちろん私たち教職員にとっても経験したことのない事の連続でした。
日々変化する感染状況と、それに向けての対策に追われ、分散当校やリモート授業など皆さんにも負担をかけることとなりましたが上田学園コレクションをはじめとするイベントも、やり遂げることができ、全カリキュラムを修了いたしました。
日常が一変し、あたりまえであったことが、あたりまえでなくなった日々を通して、私たちは沢山のことを学びました。世界は、多くのことを学びました。
この試練は「創造の友」であります。そしてそれは「希望の源」でもあります。
皆さんと同年代のオリンピック候補選手たちは、この状況の中でも過酷な練習を続け
「与えられた試練は必ず乗り越えられる」と信じ日々新たなチャレンジを続けています。
皆さんも同じく日々のカリキュラムを消化し、厳しい環境を乗り越えて新たなチャレンジを続けてこられました。本日、ここに出席された卒業生の皆さんは、たくましく成長されたと私たち教職員一同、胸を張って申し上げられます。
上田安子服飾専門学校には「創造の精神」を尊ぶ伝統があります。
「創造」とは色々な試練を乗り越えて、まだ誰もやったことのない「未知の境地」を切り拓くことです。「未知の境地」とは不安と表裏一体、うらおもての関係にあります。しかし、不安も「創造力」のひとつといえます。
多くの創造的な要素が存在するところには不安も存在することでしょう。この「不安」を乗り越え、未知の領域を切り拓くことが、上田安子服飾専門学校の誇るべき、「創造的チャレンジ精神」です。
皆さんが、上田安子服飾専門学校で学んできたことは、何ひとつとして無駄な事はないです。苦しんで作り上げた作品や資料、人間関係に悩みながらやり遂げたプレゼンテーション、たくさんの喜びを味わったプレタ展・上安祭、毎日夜遅くまでもがきながら、泣きながら製作した上田学園コレクションでの発表等々、皆さんがやってきた全ての努力は未来に繋がって行くことを信じてください。
ここで皆さんにぜひとも言っておきたいことがあります。それは、皆さん自身の可能性を信じるということです。可能性の美学」といってもよいでしょう。
人間には未来を正確に予測する能力はありません。予測できない未来に不安をつのらせることも多いでしょう。ですが、予測できないからこそやりがいがあります。
ときには、自分自身にこんな力があったのかと驚くこともあります。未来を信じる人は、力強く、美しく生きていくことができます。皆さんの未来において皆さん自身が自分の可能性を信じること。そうすることで、びっくりするような飛躍があることを信じて生きていかれることを強く希望します。常に好奇心を持って世界を見つめ、そして勇気を持って挑戦し続けることが自信と集中力を産みます。
新しいスタートラインに立った皆さんを、上田学園はこれからも応援してまいります。ときには母校を訪れ、先生方や後輩たちと語らい、また同窓会活動の場として大いに学園を活用してください。
本日手にされた卒業証書は、皆さんが、たゆまぬ努力で在学期間を頑張りぬき、あらゆる知識・技能さらには感性をしっかりと身につけひとりひとりが魅力ある人間へと成長を遂げた証です。
と同時に、励ましていだいたご家族やご友人そしてご指導いただいた先生方など多くの方々の応援のおかげだということを、改めて深く胸に刻み感謝の気持ちをいつまでもいつまでも持ち続けてください。
最後になりましたが、卒業生の皆さんの輝かしい未来とご多幸をお祈り申し上げまして、
私からのお祝いのことばとさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
令和3年3月15日
学校法人上田学園
上田安子服飾専門学校
校長 田島 等